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2021/03/17

ダブルピボットキャリパーブレーキ

 ダブルピボットキャリパーブレーキとは?

ピボットって聞いたことありませんか?そう、バスケットです。
片足を動かさずに、そこを軸に体の方向を変えていくヤツです。(あってるかな?)
支点という意味もあります。

ダブルピボットとはつまり回転するところ(支点)が2か所あるブレーキのことです。

じゃあ、シングルピボットキャリパーブレーキは?
(その前に、ブレーキを構成するパーツとして、レバー、ワイヤー、キャリパーとなり、キャリパーとは、直接タイヤの動きを止める部分のことを指しています。長いので、以降キャリパーは省略して記載します。)

シングルピボットブレーキとは?
↓これです。

いわゆるママチャリに多く採用されていますが、年代物の自転車についている場合もあります。これに対しての進化型が、ダブルピボットブレーキということです。

で、ダブルピボットブレーキは↓これです。

違いはいろいろあるのですが、構造的な観点から、アームの支点が中心からずれているということです。写真では、左側のアームの支点がシングルピボットは中心にあるのに比べて、ダブルピボットは少し左側についています。

これは、つまり、あのテコの原理というやつです。(小学校で習うのカナ?)
ワイヤー(力点)を引くと、ブレーキシュー(作用点)が動く。この時、力点側のアームを長くすると、作用点側の力が強くなる。

つまり、シングルよりもダブルの方が、ブレーキの制動力が強いという訳です。ただ、デメリットもあります。同じ量ワイヤーを引いても、ダブルの方が、ブレーキシューの動きが少なくなるということです。てこの原理を考えれば、わかりますよね?
このため、ダブルピボットの方が、ブレーキシューとリムの隙間を狭く調整してやらないと、うまく引けないということになります。

この逆で、ブレーキシューの少しの摩耗が、レバーのあそびを大きくします。従って、シングルピボットよりもよりこまめな調整が必要となってくるわけです。

ブレーキシューが摩耗してくると、ワイヤーアジャスタを調整して、摩耗した分を微調整することができますが、調整にあたり、ブレーキシューの動きについて知っておくといいと思います。














上の写真で、右側のアームはブレーキ中央を支点として、やや下側へスイングします。一方、左側のアームは、ブレーキ中央からずれたもう一つの支点を中心にスイングするので、やや上へスイングします。
このため、ブレーキシューが極端に減ってくると、左側のブレーキシューが上側にずれてタイヤに当たったり、右側のブレーキシューが適正位置から下側にずれてしまうことになります。
このため、ブレーキシューが摩耗してきたら、ブレーキシューの上下位置がずれていないかをよく確認しつつ、ワイヤーアジャスタを使ってブレーキの引き具合の調整をする必要があるのです。

また、ダブルピボットのもう一つの注意点として、調整ネジの扱いがあります。









左アームの支点近くに、ネジがあります。(無いブレーキもあります。)
調整ネジを締め込むと左側のアームを下に押して、左アームのみ少しスイングさせたような感じとなります。このため、片効きの解消に使用して調整するような解説書もあります。

ところがです、このネジは、左アームを押さえているネジであるがゆえ、ブレーキレバーを握るたびに、下からの力を受け続けるので、とても緩みやすいネジなのです。

ネジを取り外してみると、ゆるみ止め剤のようなものが塗られています。調整のためにネジを回してしまうとネジが緩みだしてしまうことがあるです。
緩みだしたら、ネジはブレーキの度に下から押されていますので、あっという間に緩んでしまうでしょう。ひどいときはブレーキシューがタイヤに当たるぐらい位置がずれますので、結果タイヤを削ってパンクやタイヤバーストとなります。

このため当店では、こちらのネジでの調整は基本行っておらず、ブレーキ本体の角度の調整や、ブレーキシューの位置調整で、ブレーキの片効きやシュー摩耗の調整をやっています。

つまり!結論として、自転車屋に任せた方が良いというお話でした。(笑)
DIYでやられる方もこのあたりよく理解した上で行いましょう。
もし、調整ネジが緩んでいる場合は、ゆるみ止め剤を塗布して、少なくともネジ先端が下のアームを押す状態になるように締め込みます。


余談ですが、写真のブレーキは、前ブレーキの場合、ワイヤーが自転車の左側にくるようになっています。これは、レバーが右だとワイヤーのラインがきれいになるように作られているそうです。ロードバイクなどは、逆のものが多いですよね、欧米では左レバー=前ブレーキが一般的なのです。これは、交通ルールが左側通行or右側通行からくるとのことです。




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