親切丁寧、良心的なサービスをモットーに日々努力させて頂いております。

2022/01/14

空飛ぶタイヤ

 大型トラックからタイヤが外れ、転がったタイヤが人に当たった事故があったとニュースにありました。


しかも、季節性があって、毎年、年末ぐらいからにかけて増加しているんだそうです。
つまり、スタッドレスなどの冬タイヤに履き替えた後に発生しているらしいとのこと。
それって、交換作業に問題があるんでは???
(空飛ぶタイヤというドラマがありましたが、これは車側の欠陥でした。。。)
さらに、左後輪が多いとのこと。ん?なんかピーンときて少し調べてみたら。。。。やはり!

トラックのタイヤを固定するボルトですが、右側は正ネジ、左側は逆ネジになっているそうで、さらに調べると、少し前に左右共に正ネジになったとのことでした。(おいおいこれなんじゃないの?)変わった事情は分かりませんが、旧規格はJISと呼んで、新規格はISOとのこと。ローカルのJISがISOの世界規格に変わったのかな?

左側がなぜ逆ネジかって言うと、車は通常、前方向に進むので、走行中タイヤは前方向に回転がかかっています。そこで、ブレーキをかけると、タイヤは急にストップしますが、タイヤを止めているナットには慣性の力(動き続けようとする力)が働いて、前方向に回ろうとするんだそうです。左右共に正ネジの場合、右側は閉まる方向に、左側は緩む方向に。。。。

ちなみに、左のタイヤが逆ネジとなっているのは、2トン以上のトラックのみだそうで、普通の自動車などは、左右とも正ネジだそうです。止めているナットが大きくなると、慣性の力も大きくなるからでしょうかね?

自転車もですね、そういうのあるんですよ、有名なのがペダル。ペダルのネジは、右のペダルが正ネジ、左のペダルが逆ネジです。ペダルを漕ぐと、力がネジが締まる方向に作用するんです。
ボトムブラケット(通称BB)なんかは、JIS規格は右が逆ネジ左が正ネジ。(ただし、ITA(イタリアン)は、左右正ネジです。)
不思議に思う(思わないですか?)かもしれませんが、ペダルは左側が逆ネジ。BBは右側が逆ネジです。(BBとは、ペダルで回している歯車の中心にあるパーツです。)

ペダルを動かしてみるとわかりますが、ペダルを普通に漕ぐとペダルは後ろ側に回っているんですね。さらに、ペダルを踏む部分と、ペダルの軸の間にベアリングがあるため、軸には、前側に回る力が働く(!)ということなんです。
(トラックの慣性の力とはちょっと違いますが。)

また、BBのITA規格は、なんで左右正ネジか?たぶん、きっちり締めれば、JIS/ITAどちらも正常に動作するということなんでしょう。(私は、イタリア人の気質が関係していると思います。「簡単には緩まんよ。緩んだら締めればいい事。。」と言っているような気がします。(笑))
トラックのJIS規格がISO規格に変わったのもこんなところかな?でもやっぱり人為的なミスはあるし、そもそもネジって緩むものなんですよね。

以前、ネットで買った自転車で、ペダルが付かないと相談されることがありました、よく聞くと、左側が付かないらしい。逆ネジですからね。(笑)
ペダルの左右の見分け方は、軸にL,Rが書いてあったり、レンチを噛ませるところに線が入っていたりします。そうなってない場合も、ネジ山をよーく見ても判ります。