パンクしている後輪を見ると、(案の定)バルブ(空気を入れるところ)が曲がっています。これは、タイヤが空転して、チューブが偏っている証拠です。
空気が少ない状態で走ると、タイヤが空転してしまい、その時にチューブも動くんですが、チューブはこのバルブの部分で固定されていますので、タイヤに引っ張られたチューブがどこかで折り重なるようになってしまいます。パンクせずともタイヤの一部にこぶのような部分ができてしまいます。バルブの根本が切れてしまうことがあります。
以前、某カー用品店で車のタイヤを交換したときに、知らないうち(多分見積もり等は事前に見たんだと思うんですけど。。。)に窒素充填のオプションが付いていて、さほど高い値段じゃなかったので、まいっかと流していたんですが、バルブのキャップが窒素(N2)の文字が記載されたものに変えられていて、ディーラーの点検とかで、「うちは、窒素充填できません」とか言われるようになっちゃいました。
普通に空気を継ぎ足してもあまり影響はないようです。
ん?空気の窒素の割合って?確か???記憶からはたどれなかったので、グーグルに聞いてみました。。。
窒素78%、酸素20%!!!
やっぱり!普通に空気充填すれば、窒素8割のエアー充填ができてるんじゃん。
窒素充填って、ホントに体感できるほど違いはあるんですかね???
ところで、なんで窒素充填をするのかというと、酸素はゴムの分子を通り抜けやすく、窒素は通り抜けにくいため、エアー抜けが少なくなる。ということなんですが、最初に空気が入った状態で、普通に窒素を入れただけじゃ窒素100%にはならないので、窒素を入れては抜いてを何度か繰り返さないと、100%には近づかないようです。某カー用品店でホントにそんなことしてるのかな?(とても疑わしい)
なぜ、こんな話をしているのかというと、自転車も窒素充填できないのかな~なんてふと思ったのですが、そもそも窒素充填の効果に疑問符が!!
しかしながら、普通の空気入れでこれができると考えています。(実際に内部のエアーの比率を計ったわけじゃないので以下勝手な想像なんですが)
つまり、タイヤに空気を入れます。初回は、窒素8割、酸素2割です。酸素は抜けやすいので、少しエアーが少なくなった状態は窒素8割以上、酸素2割以下となっているはず。
そこですかさず、エアーを充填する。これを繰り返すことで、窒素100%に近づいていくことになります。
個人的な経験上、(今思うと)こまめにエアー充填しているタイヤは、なぜかエアーの減りが少ないように思っていたのですが、きっと前述の現象が起こっているんじゃないかと考えています。
つまり、タイヤがプニャプニャになってから入れるエアーと、細かく継ぎ足しで入れているエアーは違うということ(想像ですが。。。)。
特にロードバイクなどは、空気圧が高圧の為、数日で1気圧ぐらい減るともいわれていますので、長距離走る予定がある場合とか、1週間ぐらい前から、毎日少しづつ継ぎ足しで、入れておくといいのかもしれません。
文字だけの長文で、読みづらくすいません。
コンポって言葉ご存じでしょうか?
コンポーネントの略なんですが、自転車業界でコンポというと、自転車を構成しているパーツ群(ブレーキや変速機をざっくりまとめて)になります。
世界最大のコンポメーカーとは、シマノ。
(意外と知らない人が多いけど、シマノの自転車ってのは実は無くて、シマノの部品を使った自転車がたくさんあるのです。)
2番じゃダメなの?
世界三大自転車コンポメーカーは、シマノ、カンパ(カンパニョーロ)、スラム。
シマノは日本、カンパはイタリア、スラムはアメリカ。
確か一番の老舗はカンパで元自転車選手が立ち上げた会社。高級路線、フィーリング、デザイン、味わいなんでのが優先されている感じで、自転車業界のフェラーリといったところでしょうか。
シマノはもともと金属加工の会社で、ママチャリからトップレーサーのコンポまで、いうなれば、自転車業界のトヨタですね。
スラムは後発メーカーで、元はマウンテンバイク用のコンポのみ作っていましたが、最近では、無線のコンポやフロントディレーラ無しで後輪12速なんて、革新的な製品を世に出しています。車に例えたらなんだろう?ジープとかですかね?
で、今回は、スラムのシフター、グリップシフト。
ハンドル握りながら、変速できるやつですね。
シマノ製の類似製品はレボシフトですが、確かスラムの方が先行した製品だったように思います。
変速自体はなんとかできていたのですが、なんせこの劣化状態で、グリップ部分も粘着気味。ワイヤーはアウターがひび割れ劣化していたので、ワイヤーのみ交換とするかお客様と調整したところ、シフターごと交換することに決定。
自転車は、後輪8段変速で、ディレーラ(変速機)はシマノ製。(スラムは後発メーカーなので、シマノの規格に合わせた製品を出しており、スラム・シマノのコンポミックスが可能です。)
つまり、シフターもシマノにしちゃってもよかったんですが、何となくスラムのワイルドさ(?)が良さそうで、スラムの後継機のグリップシフトに交換することにしました。
あああ、やっちゃった誤発注。
最近スラムの扱いあまりなくって、あまり意識してなかった。。。
スラムは、シマノコンポ用のグリップシフトと、スラムコンポ用のグリップシフトを製品としてラインナップしているんです。
↓追加で発注した、シマノ用グリップシフト(上)と並べると、変速段数の数字の間隔が違いますよね。
基本構造は同じで、カチカチってグリップが止まる位置を調整して、スラム用とシマノ用を作り分けているという訳です(たぶんね)。(意外と賢いよね!)
スラム用のグリップシフトは、戒めにどこかに飾っておきましょう。
ダブルピボットブレーキについて投稿したところ、シマノの最近のブレーキはどうなんですか?と尋ねられたことがありました。
↑こんなやつですね。
ロードバイクもディスクブレーキ化が盛んで、リムブレーキも終焉に近づいている感じもあり、これがシマノのリムブレーキの最終形となるかもしれません。
↓左右のブレーキアームが同じ長さの位置にヒンジがあるので、左右の差異が出にくそうです。
初めて見た時はダブルピボットからトリプルピボットになったのか?と思いました。動く箇所が増えればトラブルも増えるので、どうなのかなーと思ったのですが、これはダブルピボットの改良型らしいです。(調べたところ、シマノでは、デュアル対称ピボットブレーキキャリパーと呼んでいるようです。)この構造に変わってから少し経っていますが、特に悪い噂をききません。(笑)
最新モデルでは、105以上がこの構造。TIAGRA以下がダブルピボットの構造となっています。(実は、写真のブレーキもすでに旧モデルです。)
横からみるとブレーキ中央のボルトはブレーキを固定しているだけです。ダブルピボットの時は回転軸(ピボット)としての役割もありましたが、役割を分けて、回転軸を中央からずらしたようです。
さらに回転軸をブレーキシュー側に下げたことにより、構造的にブレーキ剛性が上がっているとのこと。
また、装着タイヤが700x28Cに対応しているようですが、太いタイヤに対応させるには、より長いアームが必要→しかし、アームを長くすればブレーキ剛性が落ちる。このあたりを解消するための構造進化ともいえるでしょう。(ちなみに、このブレーキに交換したからといって、700x28Cのタイヤが履けるかはフレームの設計もありそんなに簡単ではありません。また、ブレーキの引き量が時代で変わっていますので、なかなかブレーキだけ交換もむずいのです。)
写真は105グレードですが、上位グレードのULTEGRAでは、さらに左右のピボット部を支えるプレートが入っており、剛性を高めています。
詳しくは、こちらを参照ください。
ダブルピボットキャリパーブレーキとは?
ピボットって聞いたことありませんか?そう、バスケットです。
片足を動かさずに、そこを軸に体の方向を変えていくヤツです。(あってるかな?)
支点という意味もあります。
ダブルピボットとはつまり回転するところ(支点)が2か所あるブレーキのことです。
じゃあ、シングルピボットキャリパーブレーキは?
(その前に、ブレーキを構成するパーツとして、レバー、ワイヤー、キャリパーとなり、キャリパーとは、直接タイヤの動きを止める部分のことを指しています。長いので、以降キャリパーは省略して記載します。)
いわゆるママチャリに多く採用されていますが、年代物の自転車についている場合もあります。これに対しての進化型が、ダブルピボットブレーキということです。
で、ダブルピボットブレーキは↓これです。
違いはいろいろあるのですが、構造的な観点から、アームの支点が中心からずれているということです。写真では、左側のアームの支点がシングルピボットは中心にあるのに比べて、ダブルピボットは少し左側についています。
これは、つまり、あのテコの原理というやつです。(小学校で習うのカナ?)
ワイヤー(力点)を引くと、ブレーキシュー(作用点)が動く。この時、力点側のアームを長くすると、作用点側の力が強くなる。
つまり、シングルよりもダブルの方が、ブレーキの制動力が強いという訳です。ただ、デメリットもあります。同じ量ワイヤーを引いても、ダブルの方が、ブレーキシューの動きが少なくなるということです。てこの原理を考えれば、わかりますよね?
このため、ダブルピボットの方が、ブレーキシューとリムの隙間を狭く調整してやらないと、うまく引けないということになります。
この逆で、ブレーキシューの少しの摩耗が、レバーのあそびを大きくします。従って、シングルピボットよりもよりこまめな調整が必要となってくるわけです。
ブレーキシューが摩耗してくると、ワイヤーアジャスタを調整して、摩耗した分を微調整することができますが、調整にあたり、ブレーキシューの動きについて知っておくといいと思います。
左アームの支点近くに、ネジがあります。(無いブレーキもあります。)
調整ネジを締め込むと左側のアームを下に押して、左アームのみ少しスイングさせたような感じとなります。このため、片効きの解消に使用して調整するような解説書もあります。
ところがです、このネジは、左アームを押さえているネジであるがゆえ、ブレーキレバーを握るたびに、下からの力を受け続けるので、とても緩みやすいネジなのです。
ネジを取り外してみると、ゆるみ止め剤のようなものが塗られています。調整のためにネジを回してしまうとネジが緩みだしてしまうことがあるです。
緩みだしたら、ネジはブレーキの度に下から押されていますので、あっという間に緩んでしまうでしょう。ひどいときはブレーキシューがタイヤに当たるぐらい位置がずれますので、結果タイヤを削ってパンクやタイヤバーストとなります。
このため当店では、こちらのネジでの調整は基本行っておらず、ブレーキ本体の角度の調整や、ブレーキシューの位置調整で、ブレーキの片効きやシュー摩耗の調整をやっています。
つまり!結論として、自転車屋に任せた方が良いというお話でした。(笑)
DIYでやられる方もこのあたりよく理解した上で行いましょう。
もし、調整ネジが緩んでいる場合は、ゆるみ止め剤を塗布して、少なくともネジ先端が下のアームを押す状態になるように締め込みます。
余談ですが、写真のブレーキは、前ブレーキの場合、ワイヤーが自転車の左側にくるようになっています。これは、レバーが右だとワイヤーのラインがきれいになるように作られているそうです。ロードバイクなどは、逆のものが多いですよね、欧米では左レバー=前ブレーキが一般的なのです。これは、交通ルールが左側通行or右側通行からくるとのことです。
マイクロファイバーウエス